プロデビューを飾った手塚康平の“エルゴラッソ”で勝利を収めたルヴァンカップ第1節・清水戦。チームとしては試合内容も素晴らしく、公式戦の連敗もストップしたということで収穫の多い試合だった。
しかし、その陰で悔しさをにじませている男がいる。それは、この日ヒーローとなった手塚とアカデミー時代からの同期である大島康樹だ。
「やっちゃいましたね…。最初から右に打とうと決め過ぎていたので、焦ってはなかったですけど、ちょっと失敗してしまいましたね」
悔しそうな表情を浮かべながら、こう振り返るのは前半20分のシーン。素早いプレスから栗澤僚一が中盤でボールを奪うと、これが中川寛斗、大津祐樹とつながり最後はゴール前で待ち受ける大島の下へ。誰もが手塚との“アベックゴール”を確信したが、狙いすましたシュートは無情にも枠を外れていった。
昨季途中から期限付き移籍していた富山から復帰後、ひさびさに柏のユニフォームを着て、日立台のピッチでプレーしたこの試合、得点こそ奪えなかったが、前線で体を張りボールを収め、守備では味方と連動して前線からプレスを掛けるなどチームの勝利に十分貢献した。
それでも背番号24は「自分は守備でアピールするよりも攻撃でアピールしたいという気持ちが強いですね。前線で体を張ってある程度キープできたり、ファウルをもらえたりしたので良かったと思いますけど、もっとゴールに関わるプレーというか、パスをもらったときに強引にシュートを打つ回数をもっと増やさないといけないのかなと思います」とストライカーとしての自覚をのぞかせる。
柏U-18時代には2種登録されリーグ戦に出場する経験を持つなど、アカデミー時代から将来を渇望されてきたストライカーは今季でプロ3年目を迎えた。本人も「勝負の年」と位置付ける今季、誰もが待ち望んでいるのは柏での初ゴールだ。
(柏担当 須賀大輔)
2017/03/17 20:32