甲府が今季初めての対外試合(30分×3本)を清水桜が丘高と行い6-0で勝利した。
甲府にとってはサイドを使う・裏を取るなどの「戦術の大枠に取り組んでくれた」(吉田達磨監督)という部分でポジティブなゲームとなった。新人戦が同時刻にあった清水桜が丘高がベストメンバーではなかったが、今季初のフルサイズのピッチで戦術の大枠に取り組み、イメージをつかみ、課題をそれぞれの選手が感じ取れたことで一歩前進。加入に向けて練習参加中の小椋祥平(元G大阪)とFWウイルソンが同じグループでプレーできたこと、大卒新加入の小出悠太(CB)、道渕諒平(WB)、曽根田穣(WB)がそれぞれのポジションで即戦力であることを証明したこともポジティブ要素。新加入の兵働昭弘、島川俊郎も開幕先発候補として一定以上のアピールをしたことで、チーム内競争は水面下で激化しそうな雰囲気。山本英臣、新井涼平、橋爪勇樹ら昨季のレギュラーがコンディションが整わずこの試合には出場しなかったが、アドバンテージがある彼らにとっても少なからずの刺激になったはず。
左WBで出場した曽根田は「ハシ君(橋爪)が出なかったから1本目から使ってもらえたと思いますが、チャンスと捉えています。『新人だからチームに慣れてからチャンスをつかめばいい』なんて思っていたらチャンスは来ない」とチャンスに後ろ髪がないことを本能で察知している。また、4ゴールすべてを左足で挙げた堀米勇輝は「シャドーの競争は激しい。自分の価値をチーム内で高めないといけない。結果を出していくことでしかチームメートやサポーターに信頼してもらえない。これは京都で1年プレーして強く感じたこと。俺はJ1の甲府では何も成し遂げていない。『まだシーズンが始まったばかり』だと思っていたら4点は取れてないし、もう2点取れたと思う。今日はシャッフルしたメンバーかもしれないけれど、(レギュラー確実視の)ウイルソンがいた1本目のメンバーに選ばれなかったことは悔しかったし、『やってやろう』としか思っていなかった。そこにこだわらないとサッカー選手じゃない」と、J2京都を経て超意識高い系Jリーガーに成長。アドバンテージがある昨季のレギュラー陣の危機感を高める競争が“達磨甲府”をどんな形にしていくのか楽しみになる今季のファーストトレーニングマッチとなった。
(甲府担当 マツオジュン)
2017/01/22 19:39