11日にロシアW杯アジア最終予選・豪州戦を控えた日本代表は8日、豪州・メルボルンで初練習を行った。「今日の練習量は(軽めだったので)ちょうどよかった。飛行機にも乗ってきているし、(2日前に)試合もしているので疲労回復がすごく大事。体も明日、明後日で良い状態になっていくと思います」。
6日に行われたイラク戦で、原口元気の先制点をアシストした清武弘嗣。香川真司がベンチに座る中、得意のポジションであるトップ下で躍動し、原口元気のゴールをアシストするなど、目に見える形で結果を残した。しかし、チーム全体のパフォーマンスと、トップ下としてプレーした自身の役割については、まだまだという感触を持っている。
「良いところもあったけど、攻撃が単調になり過ぎているところもあった。もっと自分がボールを触ってリズムを作ってもいいところもあったし、縦に急ぎ過ぎているところもあった。そこはまだ(どうすべきかを)考えている段階。監督が目指しているのは縦に速い攻撃で、それもすごく大事だし、(カウンターから奪った)イラク戦の1点目の形は理想だった。でも、あれが毎回できるわけではない。そのときにボールを落ち着かせて、自分たちがポゼッションしながら攻めていくことは、これから大事になってくると思います」
奇しくも、イラク戦後に本田圭佑が主張した考えとリンクしていた。そのことを記者に聞かれると、さらにこう続けた。
「ピッチに入った選手は考えながらプレーしないといけない。でも、監督から求められているものもある。最終的にはピッチに入ったら自分たちが判断していかないと。例えば、ここはもう少しボールを持って、相手を焦らしながらゆっくり攻めればいいとか。また1点目が入ったときみたいに、速攻でしかける場面があってもいい。その使い分けを試合の中で判断していければいい」
この日、同じく本田は記者の前で、「自分自身のところで変えられるところもある。(監督の求める速い攻めと、パスをつなぐ自分のスタイルの)微調整なので」と発言した。清武もまた、すべてをベンチからの指示に頼るのではなく、刻一刻と変化していく試合展開の中で、プレーに変化をつけて使い分ける必要性を語った。
豪州戦。トップ下に入るのは香川か、それともイラク戦でケチの付けどころのないプレーをした清武か。清武がピッチに立ち、本田らとの連係でしたたかに、賢く振る舞うプレーで勝利を呼び込めば、さらにレギュラーへの大きな1歩を踏むことになる。
文:西川結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/10/08 20:35