J1年間勝点最下位に沈む福岡は、次節、名古屋戦に敗れた場合、1時間遅れの15時にキックオフする磐田vs新潟で新潟が勝利、16時半開始の甲府vs横浜FMで甲府が引き分け以上の結果を出すと1年でのJ2降格が決定してしまう。
厳しい状況での一戦になるが「『負けてしまったらどうこう』というふうに考えてしまえば、そこで決まってしまう」(亀川諒史)、「可能性がある限り、やるしかない」(實藤友紀)と選手たちは前を向く。勝てば、今節での降格決定は回避できるだけに勝って3週間の中断期間に入りたいところだ。
降格回避のために主将の城後寿の思いは誰よりも強い。「5年前に降格して、経営危機だったり、順位も下のほうになってJ3に降格するかも、というところまで行った。そういうことも経て、去年、やっとの思いで昇格できたのに1年でJ2には戻りたくない」と苦しんだ末につかんだJ1の舞台へのこだわりを見せる。そして、そこにあるのは個人だけの思いではない。「クラブも会社の人たちもたくさん頑張ってくれている。自分たちが結果を残すだけだと思うし、その気持ちを名古屋戦にぶつけたい」。クラブを背負ってきたからこそ感じるものがある。可能性は厳しくとも奇跡を信じて全力で臨むだけだ。
(福岡担当 杉山文宣)
2016/09/28 17:02