25日に行われた前節・横浜FC戦(1○0)で勝利を挙げた讃岐。長かったトンネルに光が射した。試合後、ピッチから引き上げてきた選手たちは「よっしゃぁー!!」と大声を張り上げ、壁を挟んだ記者室にもその喜びが伝わってきた。
そして、この日は久しぶりにあの男の姿があった。それは、9月上旬に両ひざ前十字じん帯断裂にともなって手術を行い、現在は入院中の岡村和哉。外出許可をもらって試合に駆けつけていた。
「岡村選手がいると勝つね!」と振ってみると、「そうなんすよ」とすぐに乗っかってくれた。「やっぱり引き締めるときには、一度緩めてから締めるといい。緊張してるものを締めても、締まりが悪いでしょ。俺がほぐしておきました」。「ん? うどんの茹で方の話かな?」と思ったが、緊張と緩和を利用した岡村流の気の引き締め術だった。
試合後、主将のGK清水健太に話を聞くと、「さっきも選手のところに来て同じ話をしてましたよ」と苦笑。だが、「しっかりやろうと硬くなっていたところはあったと思う。そういう余裕も必要だったのかな」と振り返る。「今日はアイツが戻ってきて全員そろったので『勝とうよ!』という話は一応言っておきましたけど(笑)」。原稿を書きながら「ちょっと待ってくださいよ~。シミケンさん(清水)、“一応”って何ですの!?」という岡村のツッコミが聞こえたような気がする。
(讃岐担当 柏原敏)
2016/09/26 12:28