31日にクラブ史上初のルヴァンカップ決勝トーナメントを迎える福岡。ホーム&アウェイというカップ戦ならではのルールが導入されるが、アウェイゴールルールには深い因縁がある。
アウェイゴールルールは、Jリーグでは06年のナビスコカップ(当時)とJ1・J2入れ替え戦で導入され、ナビスコカップ準々決勝・川崎Fvs浦和戦で初めて適用された。同年のJ1・J2入れ替え戦に回っていた福岡にとっては、2試合ともに引き分けながらアウェイゴールルールでJ2降格の憂き目を見た苦い経験がある。入れ替え戦という天国と地獄を分ける一戦だったこともあり、この降格は強烈な印象を残した。
城後寿は当時を振り返りながら、「考え方として、経験したぶん意識できるところもあると思う。アウェイゴールの重要性というのはあの入れ替え戦で身に染みている。先にアウェイで得点するのは大事」とその重要性について話した。
また、当時は右ひざ前十字じん帯のけがにより、スタンドから観戦していた中村北斗も「『え? このままだとオレら、ダメなの?』という感じだったし、『何で? どうして?』という感じだった。『何だよ、アウェイゴールルールって。日本でホームとアウェイでそんなに差があるわけないじゃん』とか思っていた(笑)」と、いまだからこそ笑って振り返るが、当時は相当な悔しさを味わったという。「アウェイゴールを取れれば引き分けでもOKの状況になったときに効いてくる」と、その重要性を感じている様子だった。
かつてアウェイゴールに泣いた福岡だが、その教訓を生かし、今回のホーム&アウェイ戦では戦いを有利に運ぶためのアウェイゴールを目指す。
(福岡担当 杉山文宣)
2016/08/29 17:59