天皇杯1回戦で北信越1部のサウルコス福井に4-1と勝利した金沢。この試合では大卒3年目のGK原田直樹が先発し、念願のプロデビューを果たした。
試合前に「後々、『良い第一歩だった』と言えるようにしたい」と語っていた原田直は、「緊張しないと思っていたが、試合が近付くにつれて、『こんなに緊張するのか!』と(いうほど緊張した)。前日の夜から緊張した」という。
緊張の度合いを「高校生以来」と語った原田直に、その高校時代の緊張した場面を振り返ってもらった。「高校1年生(広島観音高)のとき、僕はPKキーパーだった。インターハイと選手権の(広島県予選)決勝戦が、両方とも広島皆実とのPK戦だった。僕は1年生だったけど、PKに負けると3年生を引退させてしまうことになるので、そのときもめちゃくちゃ緊張した」らしい。このシチュエーションと並ぶことからも、デビュー戦でいかに緊張したかが伝わってくる。
しかし、「入場してゴールの前に立ったときにはもう大丈夫だった」。金沢がボールを保持する展開になったため、シュートストップの機会は多くはなかったが、飛び出しでピンチを防ぐ場面もあった。「失点を防ぐためには、待って1対1になって勝負するよりも、その前に自分が飛び出してスルーパスをカットするのも策の一つ。でも、ゴールを空けてしまうプレーなのでリスクはある。昨日(のサウルコス福井戦で)はうまくいったが、これからも状況を見ながらミスなくやりたい」と試合を振り返った。
「(プロの)試合がどういう雰囲気で、どんな流れなのか。すごく良い経験になったので、次に生かせる」。待ち望んでいたデビュー戦は、実りあるものになった。
(金沢担当 野中拓也)
2016/08/29 16:01