清水の天皇杯初戦の相手は関西大に決まった。そのサッカー部を率いるのは前田雅文監督。野洲高を卒業後、関西大に進み、G大阪でプロ生活をスタートした。甲府、草津(現・群馬)でプレーして11年に現役引退。今年から母校・関西大の監督に就いている。
その前田監督のことを、親しみをこめて「前ちゃん」と呼ぶ選手が清水にはいる。野洲高の後輩、村田和哉である。
村田が前田監督のことを知ったのは、まだ中学3年生のころ。野洲高の山本佳司監督が「前田という選手が、この高校を卒業してプロでやっている」と話し、そのときから野洲高の中では「神のような存在で、あこがれになった」と村田は話す。ただ、その「神のような存在」でありながら、「前ちゃん」と呼ぶのはなぜか。
「一言でいうと、サッカー小僧」
前田監督は大阪学院大学のコーチ時代も、大学の休みである月曜日になると、はるばる野洲高までサッカーをプレーしに来ていたそう。オフシーズンも野洲高でサッカーをやっており、そこで村田も一緒に楽しんだ。フレンドリーな性格もあって、年の離れた村田でも気さくに話してくれたようだ。
その“前ちゃん”が率いる関西大と対戦する。「こんな感じで対戦するとは思わなかった」と村田。プロが大学生を相手にする難しさは、自分が逆の立場であった過去から理解している。“仲間”との対戦を楽しみにしつつも、勝負に徹することは変わらない。
(清水担当 田中芳樹)
2016/08/25 19:26