クラブからは竹原稔社長、マッシモ・フィッカデンティ監督、竹元義幸強化部長が出席した。今夏、鳥栖は9人を放出し、加入が2人。二種登録を含めない場合、トップチームの選手数が22人となった。サポーターからは経営危機による選手の放出ではないかという声も上がっていたがこれについて竹原社長は「お金がないから(選手をほかのチームに)出すというようなスキームもまったく考えていない。経営の面は一切、関係ない」と不安を一蹴した。
現在のような編成になった点についてマッシモ・フィッカデンティ監督は「メンバーを多く抱えれば抱えるほど、(ベンチ入り)18人から漏れたメンバーというのは外で試合に関われない」とメンバーを多く抱えた際のデメリットについて触れ、「各ポジションに2人ずつ、GKもいて、その中にあと3人、4人ほど若い選手、育てていかないといけない選手(がいる)。そういうグループを作って練習からすべてを運営できたら」と理想を語った。
けが人が出た際のリスクもあるが「試合数がそんなに多いわけではないし、きつい日程がまた繰り返されるわけでもない。この人数で回していけるんだというのを前もって判断した上でいま、この人数にしています」と指揮官はクラブと話し合った上での決断であることを説明した。竹原社長も「少数精鋭という言葉が先に出てしまっているが、少ない人数で、ギリギリで戦うというようなイメージでは決してない」と話し、フィッカデンティ監督も「少人数制というわけではなくて(いまは)そういう環境でないとみんなが練習に加われない」と練習への取り組みについても言及した。現在の鳥栖は、人数こそ少ないすべての選手が常に試合に絡む状況になっており、選手個々のモチベーションは高い状態で保たれている。また、フィッカデンティ監督はフルコートでの紅白戦などは行わないため、実際の練習では人数の不足感が顕著になるような状況は起こっていないのは事実だ。
闇雲に多く選手を抱えることは否定しながらも「そのときのチームが置かれた状況に合わせて編成はしようと思っています」と指揮官は柔軟に対応していくこと説明。竹原社長も「もっと大きなプロジェクトについてマッシモ監督と強化部長で考えているものもたくさんあるので。いまの一瞬を見て、少数精鋭という言葉を感じないでほしい。しっかり見守ってほしい」と理解を訴えた。
写真:杉山文宣
(鳥栖担当 杉山文宣)
2016/07/29 19:08