藤田直之が闘気を漂わせた。トレーニングを終え、「特別な思いがある」と話した背番号14は、16日、J1・1st第7節で“昨季までのホーム”鳥栖のベアスタに乗り込む。
“思い”を抑えてもこぼれだす一戦だ。2010年のプロ入り以来、6年間を鳥栖で過ごした藤田。J2からJ1、そして、J1の上位へ。上昇するチームの一員としてハードな歳月を経て迎えた今季、新たなチャレンジの舞台として神戸の門をくぐった。藤田は鳥栖をこう評する。「一人ひとりが献身的にさぼらずハードワークする。そこを大事にしているクラブ」。そして、「雰囲気がすごく良い。対戦相手には難しい場所」と、かつてのホームスタジアムの特徴を話した。
現在、ボランチのペアを組む三原雅俊は、ルーテル学院高3年の2006年に鳥栖で特別指定選手としてJリーグデビュー。奇縁が結ぶ相方とは、「ここ数試合、良い関係でできている」(藤田)。相対するは、高橋義希らかつてペアを組んだ選手たち。「プレーの特徴をお互いに把握しているし、やりやすさとやりづらさがある。毎試合そうだが、相手のボランチに負けないこと。そこで勝ったほうが勝利に近づく」。中盤の支配権を譲る気はない。
2日間の非公開練習と前日調整を経て迎える決戦のとき。「最初から激しくいくが、冷静に。勝つことを目的に良い準備をしたい」。古巣を撃破し、藤田はチームの躍進に全力を傾ける。
(神戸担当 小野慶太)
2016/04/13 15:19