前々節の大宮戦、PKの直前にボールボーイと肩を組みアドバイスを求め、見事なセーブを見せた佐藤優也。その行為には、「(PKを与え)堅い顔をしている選手の前で、『お前!』みたいに言えない。だから、ふざけていた」ということと、「特にPKのときなど、GKは自分の間合いというのが欲しい。自分の間合いにどう入れるか、そういうのを考えて」という二つの理由があった。
佐藤自身も事前に右へ飛ぼうと考えていたところ、ボールボーイにも「右」だと言われ、あのPKストップにつながる。「(ボールボーイと意見が)逆だったらどうしてたかな? 本当にたまたまが重なって止めた感じ」。なお、ビッグセーブはあったものの、二人の読み自体は外れている。「まあ、右じゃない。ど真ん中」(佐藤)。ギリギリまで飛ぶのを我慢した佐藤の残っていた足が、ムルジャのシュートをはじいていた。
こうしたこともあり、今後はPKの場面になるたびに佐藤の行動には注目が集まるだろう。佐藤は、「それ思われちゃうよね? たぶん(ボールボーイへ聞きに)行くと思うよ、俺」と言いつつ、「カメラマンとか、あとは蹴る本人に聞きに行ったらおもしろくない? 『どっちに蹴るの、右?左?』って。そういうのやったらおもしろいでしょ」と別の考えも提示。ピンチの場面でも、冷静にそれを回避するための行動をとれることが、佐藤の頼もしさにつながっている。
(東京V担当 石原遼一)
2015/10/03 17:25