明治安田J2第32節の千葉戦(3○1)での快勝はアグレッシブな姿勢が実っての結果だったが、その姿勢は試合前にキャプテンの前田和哉が口にした言葉が影響した、と渡大生や西嶋弘之が明かしていた。それを前田に振ると、ある選手の名前が出てきたのだった。
「実は、千葉戦の前々日の練習後の円陣で(宮本)亨が言った話が僕を刺激して、千葉戦の試合前に『一人ひとりにやるべきことがあるはず。そういう責任感を改めて考えながらプレーで表現しよう』と皆に言ったのです」
そうなると宮本に話を聞かねばなるまい。「何を言ったんだっけなぁ」と言いながら宮本が思い出してくれたのが、こんな話だった。
「チームは先発する選手、控えに回る選手、そしていずれにも入れない選手に分かれてしまうが、いずれもが同じ方向を見ていないと絶対に良い結果は出ない、ということ。だから、どの立場にいても常にがむしゃらに、常に気迫を持って闘わなくちゃいけなんじゃないか、ということを伝えた。たまたま自分に練習を締める番が来たからそういうことを言ったけど、誰もが感じたことを言える雰囲気をつくりたかったという理由もあったね」
そう照れた宮本だが、その“発信”が果たした効果はとてつもなく大きいものだった。
(北九州担当 島田徹)
2015/09/21 15:31