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ーサッカー日本代表応援サポーターTシャツのイラストを描かれたそうですが、どういった思いで制作されたのでしょうか。

「日本代表を応援したいという思いですね。KIRINさんも長い間、日本代表を応援しています。日本代表がもっと強くなる、取り巻く環境がさらに盛り上がるために、少しでも役に立てればなと思って取り組みました。代表選手を11人描くということで少し大変だなとは思いましたけれど(笑)。 ただ、『これを描き切れば日本代表の力になるぞ』という思いで取り組ませていただきました」

―各選手の特徴がよく表れています。

「日本代表の選手を描く機会はあまりないのですが、『キャプテン翼』のキャラクターで、こういったイメージの絵を描いたことはありました。ただ、実在する選手なので、そこは失礼のないように。みなさんを凛々しくかっこ良く描ければなと思いましたね。資料写真を頂いたのですけど、自分でも色々と資料を集めて、それも見ながら書きました。皆さんの特徴はつかめたのかなと思っています。似顔絵ではなくて、「僕のマンガのキャラクターの中に彼らが登場したらこういった感じかな」と考えながら取り組みました。つまり、「キャプテン翼」の世界観で描いたということです」

ー「キャプテン翼」を描き始めたときから、こうした形で日本代表をサポートしていきたいというイメージはありましたか？

「最初のころはそんなに思っていなかったです。でもやっぱり、もっと日本サッカーが盛んになって欲しいと思っていましたし、『日本でプロのリーグが見たい』という思いもありました。そういう意味で、少しは役に立てたのかなと思います。今回もこういった活動に関わらせていただいて、本当に光栄だと思っております」

ー高橋先生は、漫画家としてこれからどういった形で日本サッカーに貢献したいとお考えですか？

「大空翼の大きな夢は、日本を世界一にさせるということ。現実の世界でも、そこに一歩でも近づけるように応援したいですし、日本代表が国際大会でトロフィーを掲げる姿を見たいという思いがあります。現実が先か漫画が先かという感じでやっていますけど（笑）。ぜひ、現実が先になって欲しいですね」

ー今年の１月にバルセロナに行かれたとのことですが、その際に海外と日本のサッカー文化の違いは感じましたか？

「日本は、まだプロサッカーができて２０年あまり。スペインとは１００年の差があります。「追いつくのは簡単ではないな」というのが正直な感想です。街の一つひとつのクラブの基盤がしっかりしているというのを感じましたし、それが海外代表チームにつながっているんだなと思いました。例えば日本のプロクラブ以外の地方の小さなクラブであっても、運営の仕方を精査することや、選手育成の部分を底上げしていく必要があるのではないかと思いますね」

ーとはいえ、日本サッカーは飛躍的に成長してきた印象があります。

「そうは思いますね。１９９３年に国内リーグが開幕して、こうやって２０年以上続いてきました。文化として定着もしてきていると思います。そしてリーグの上に代表チームがある。実際に代表選手はクラブから選ばれていくわけですから」

ー日本代表がもっと強くなるために必要なことは？

「一人で考えてもアイディアは生まれにくいと思いますので、今回のキャンペーンのように広く意見を募ることがいいのではないかと思います。あとは、小さいことの積み重ねでしょうか。食事の面や実生活の過ごし方も含めて、素晴らしいサッカー選手が生まれてくる環境をどれだけ作れるのかというところが大事だと思います」

ー日本代表が世界のトップになるために、高橋先生自身はどういう役割を担っていきたいとお考えでしょうか？

「僕の場合は絵を描くのが商売です。自分の漫画を読まれた方の心が少しでも動いたり、サッカーをやっている子供だったら『僕も頑張ろう』と思ったり、気持ちを奮い立たせられるようなものを提供していきたいと思っています」

ー最後になりますが、このキャンペーンを通じて、日本代表チームとファン・サポーターの皆様にメッセージをお願いします。

「これから暑くなりますし、Tシャツもちょうどいいかなと思います（笑）。多くの方にこのTシャツを着てもらいたいですし、日本代表チームやサポーターに今回のキャンペーンの思いが伝わって、強い日本代表が生まれて、そして僕たちがまた勇気をもらうというような循環が生まれるといいですよね」

高橋 陽一（たかはし よういち）
１９６０年東京都生まれ。１９８１年「キャプテン翼」の連載開始とともに日本中にサッカーブームを巻き起こし、アニメ、映画、ゲーム化もされ社会現象となった。アニメの海外放映をきっかけに人気は世界に広がり、同作がきっかけでサッカーにのめり込んだプロ選手も数多い。また、なでしこジャパンをはじめとする日本女子サッカーの応援キャラクター”サッカー少女 楓”なども手がける。

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