今季限りでの退任が決まったアダウトGKコーチ。京都には4年間在籍し、その間にオ・スンフン、杉本大地、山田元気という現在所属の3選手をはじめ、守田達弥(現・新潟)や児玉剛(現・愛媛)、そして今季限りでの現役引退を発表した水谷雄一(現・富山)らを指導してきた。
中でも若い杉本と山田は、全体練習が午前だけという日にGKだけの午後練習を行うなど、多くの時間をアダウトとともに過ごしてきた。今季、杉本はJリーグデビュー。先日のJ2第41節・長崎戦で初勝利を達成した際には「本当に喜んでくれた。すごくいい笑顔でした。4年間、一緒に厳しいトレーニングをしてきて、それが形になったのが嬉しかった」(杉本)と振り返る。アダウトGKコーチも「(杉本)大地も(山田)元気も成長している。足りないのは実戦経験だけ。僕にとっても京都は初めてのトップチームでの指導だった。いろいろな監督、いろいろなGKと一緒にトライしてきた。今回は退任になったけれど、次もトップチームでやりたいですね」と意欲を見せている。
誠実な性格と優しい笑顔を持ち、グラウンドの中では仏の顔でハードなメニューを次々と課す鬼軍曹。バレーボールを使って変則的な軌道を描くシュートへの対応を養わせるなど、限られた予算の中でさまざまなアイテムを練習に取り入れるアイディアマンでもあった。今年3月には日本への帰化申請が認められて“真尊アダウト”としての第一歩も踏み出している。日本を愛する碧い瞳のGKコーチは「サンガはきっと強くなる。力のあるクラブだし、ミスしたところさえ繰り返さなければJ1へ行けますよ」とエールを贈った。
(京都担当 雨堤俊祐)
2014/11/22 17:35