待望の瞬間だった。前節・北九州戦(0●2)でゴールマウスに立ったのは、これがプロデビュー戦となったGK太田岳志。ラモス瑠偉監督からは「お前で行くぞ」と前々から先発予告を受けていたという。
試合については反省しきりだった。「試合に出られたうれしさもあったけど、悔しいですよ…」。ノーチャンスの2失点でもあったが、「実際、(被シュート)5本ですからね。5本で2本決められて負けている」と悔しさを滲ませる。
「あれを止めなきゃ使ってもらえない。1試合のうち何回かあるピンチを1本でも止めなきゃ流れも変えられない。(GKは)そこを止められるかどうか。実際、北九州のGK大谷(幸輝)さんは(遠藤)純輝の突破を止めている」
ただ、転機の年でもあった。ラモス監督就任、GK川口能活の加入などもあり「全部成長できている気はする」と今季の充実感も語る。百戦錬磨の守護神と接することで刺激を受け、自らアドバイスを請いに行くこともしばしば。指揮官には「GKはリベロになれ」と言われたことで、苦手の守備範囲を広げようと意識的に取り組むようになったという。メンタル面、技術面、考え方…。プロ2年目、「試合に出るために」環境のすべてを自分の活力に変えてきたからこそ、つかんだプロ初出場でもある。
「ここからです」と太田岳。「(出場が)ゼロのまま(シーズンが)終わるのはイヤだった」という目標が、「勝率をゼロのまま終わらせないように」という目標に変わった。
(岐阜担当 村本裕太)
2014/10/31 18:25