チームの成長を証明する数値が、セットプレーの失点減少だ。甲府は開幕の鹿島戦(0●4)をセットプレーからの4失点で落とし、第5節・仙台戦(3月29日/1△1)を終えた時点で、CKやFKからの失点数が「6」に達していた。
大きな理由がパトリックの不在である。彼はFWだが、昨季の後半戦は“ストーン”役として相手CKを弾きまくっていた。その代わりとなった選手がフィットせず、開幕直後の甲府はセットプレーの対応に苦労した。
しかし「開幕で本当に勉強した」(城福浩監督)という甲府は、当然ながら手を打った。最初の5試合でセットプレーから6失点もしていた甲府が、その後の25試合では2失点しかしていない。第30節終了時点のセットプレー失点数「8」はJ1最少だ。
GKの荻晃太は「ミーティングでセットプレーに割く時間の割合の大きさ、練習時間の長さ」を改善の理由として挙げる。パトリックの不在、前半戦の失敗などから生まれた危機感も生かした。「危機感を全員が持っていることが、うまく守れている理由」(荻)だという。
しかし荻は「(直前の練習の)シミュレーションでやられて、試合で変えることもある。完璧な守り方っていうのはない」と、更なる改善を強調する。次のC大阪戦では更に進化した甲府のセットプレー守備が見られるだろう。
(甲府担当 大島和人)
2014/10/30 17:22