オフ明けの2部練習のうち午前練習はフィジカルトレーニングを行なうのが通常の流れ。その中でも定番となっているのが、心拍数を3段階に調整しながら行なう約20分間のランニングだ。個人個人で心拍計を身につけて、その数値をにらみながらスピードを調整するのだが、他人との競争ではないにしても、走行距離には次第に差が出てくる。なぜなら心拍数がなかなか上がらない選手はどんどんスピードを上げ、逆に少しのスピードで心拍数が上がる選手は距離が伸びないからだ。
そのトレーニングで常に先頭集団に入るのが渡邉将基だ。彼はCBの選手だが、その持久力は、SBの田中優毅、星原健太、90分間を常に走り切る小手川宏基らに匹敵するモノ。その能力について渡邉に聞くとこんな答えが返ってきた。
「小学校のころ、足が遅いことが悔しくて、長距離走だけは絶対に負けまいと常に一生懸命に走っていた。僕の持久力は負けず嫌いの性格によって伸びた能力だと思う」
科学的に正しいのかは分からないが、とにかく、渡邉はそう言い切るのだった。
(北九州担当 島田徹)
2014/06/11 18:23