ブラジル人の体の奥底には、マリーシアの精神が息づいている。それを再確認させられたのは、第10節・愛媛戦(1○0)のCKのシーンだった。
愛媛の選手たちがCKに備えてポジショニングの確認をしている輪の中に、なんと! 栃木のドゥドゥが素知らぬ顔で、ひょっこりと加わったのだ。最初はその存在に気が付かなかった愛媛の選手たちだったが、しばらくすると異変に気が付き、ドゥドゥを輪の外に押し出した。
このシーンについて当事者に尋ねてみると、「鳥取にいたころから林堂(眞)がセットプレーの話をしているときに、Bチームだった自分が邪魔をしていたんだ。あれは挑発行為ではなく、相手の集中力を削いだり、邪魔ができれば、と思ってやったこと」と、茶目っ気たっぷりの笑顔で話してくれた。彼のマリーシアのおかげ? で栃木は事なきを得た。
相手のCKをはじくだけではなく、前節・北九州戦(1○0)ではFW顔負けのゴールを奪取。今後もCKの際、ドゥドゥがしかける心理戦に注目だ。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/06/03 18:07