とても楽しそうだった。
ナビスコカップ第4節の大宮戦。前半こそ相手に押し込まれた名古屋だが、結果的に18本ものシュートを放っての快勝だった。今季初めての複数得点差勝利を呼び込むこととなった矢野貴章のスーパーゴールも注目してほしいワンシーンだが、それをお膳立てする狙いどおりの鋭いFKを蹴り込んだのが田口泰士。そしてそれ以外での場面でも、背番号28の両足を経由して多くのチャンスが生まれていた。
「やっぱり楽しまないとね」
田口はそう言って、白い歯を見せる。その後は「自分的にはミスも多いし、調子が良いとは思わない。まだまだです」と謙遜していたが、それは気持ちの奥底に「後半みたいに俺がいっぱい触れればチームは良くなる。俺がもっとやらないと、と思っています」という強い責任感があるからだろう。
「楽しんではいますけどね」
最後には再びそう加えた田口。今節の徳島戦でも、楽しそうなゲームメーカーの姿が見られれば、豊田スタジアム今季初勝利という待望の瞬間も訪れるに違いない。
(名古屋担当 村本裕太)
2014/05/22 18:50