第11節までの出場記録は、先発2試合に途中出場が6試合。トータルプレー時間は205分。人によって解釈は異なるが、渡大生にとっては恐ろしく長い時間に思えたのだろう。
「ほかのFWの選手が(点を)取っていたし、僕も取らなきゃというプレッシャーが確かにあった。だからこそホッとした」
今季初ゴールを挙げた第12節の富山戦(2○0)から2日後のコメントである。さらに言葉を続けた。
「試合が始まってすぐに『今日はヤバイかも』と思った。そしたら案の定、後半に入ると両ふくらはぎがツリました。試合終盤には足の付け根の部分までツっていた」
得意のシザースフェイントから1ゴール目を決めたときには、ふくらはぎに痛みが走っていた。後半半ばには下半身は自分の思いどおりに動く状態ではなかったが、なぜか足が一歩前に出た。「やはり90(フル出場)にこだわりたかったので」。今季初のフル出場への意欲と初得点の喜びが最後まで渡の足を動かした。
(北九州担当 島田徹)
2014/05/08 19:40