毎日の練習後、最後までグラウンドに残って丁寧に体のケアを行っている丸谷拓也選手。特に体幹トレーニングに関しては念入りで、夏に移籍してきて以来、チーム内でも「丸谷と言えば体幹、体幹と言えば丸谷」と言われ、取材でも、答えるより先に「趣味は?…あ、体幹でしたね」とメモを取られてしまうほど。丸谷選手が広島でプロ入りした2年前、トレーナーに指導されて始め、欠かさずに取り組んでいるそうです。
さて、体幹とは何か。具体的には腹筋と背筋のことで、胴体の曲げ伸ばしや、姿勢を保って体のバランスを取る役割を担っている部分。これを鍛えることにより、姿勢が良くなったり、ぎっくり腰などのケガをしにくくなったりするわけです。何もないところで転ぶ人(注:記者のことです)にもオススメだとか。
そんなわけで今日は、丸谷選手から直々に体幹トレーニングの基礎の基礎をレクチャーしてもらいました。まずは1分間、基本の姿勢です。「ヘソのちょっと斜め下あたりに力を入れてケツを締めます。このとき体の芯が一直線になっていることがポイント。腰が上がったり下がったりしていてはいけません」
ここで、ちょうど通りかかった井上裕大選手に(無理やり)飛び入り参加してもらいました。顔を上げてもらったのは撮影のためで、実際には上げる必要はありません。でも井上選手の表情からも、いかにキツい所作かということがよく分かりますね。
次に横です。「片肘を地面につき、体の中心線をまっすぐに保ちます。地面側のサイドの筋肉を鍛える所作です」。これを左右反転して30秒ずつ。ここで井上選手からのアドバイス。「自分でやっているイメージと実際にやれているかどうかはズレがあるので、本当は鏡を見ながらやるんですが、鏡がなければ周囲の人にチェックしてもらってください」
さらに基本のポーズから片脚ずつ上げるといったバリエーションもあるのですが、…あれ、井上選手、腹痛を訴えて先に退散してしまいました。(※決して逃げたのではありません。)
最後に留意点を。体幹筋は遅筋線維なので毎日トレーニングできますが、オーバートレーニングは禁物。最初は負荷の軽いものから始めましょう。正しいフォームでやらなくてはケガのもとになりますので、きちんと指導を受けること。最近は書籍などもたくさん出ていますので参考にしてはいかが。なお、トレーニングは全て自己責任で行ってくださいね。
何事にもハマると没頭し、気が済むまでやり続けるという丸谷選手。試合中に見せる身体バランスや球際での強さは、こんな地道な努力が結実しているのですね。トレーニングを終えて満足げな、この笑顔です。
最終節の松本戦でも、きっとその成果を見せてくれることでしょう。昇格を勝ち取れるよう、シーズン最後までよろしくお願いします!
追伸。家に帰って記者も早速やってみましたが、とってもキツかったです。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2012/11/08 22:35