月日は流れ、当時の控えGKはたくましく成長を遂げ、いまや守護神としてゴールマウスに立っている。それでも、脳裏に刻まれている印象は、簡単に書き換えられないのだそうだ。
東京V時代、GK鈴木智幸と大黒将志(現・京都)は、2年間ともにプレーした。練習では何度も大黒のシュートを体感した。当然、クセも分かっているはず。だが、そのことを問うと、予想に反した答えが返って来た。
「どうですかね? 分からないです」
そして鈴木智は続ける。「ペナルティーエリア内の動き出しは、ほかの選手と違う。なかなか見ないプレースタイル」。鈴木智は、大黒をそう解釈している。DFとの駆け引きに長けるストライカーだけに、「2、3度動き直してくる。そこをしっかり見ないと、一瞬のスキを突かれて失点してしまう」と、高い集中力が必要だと話す。
前節の横浜FC戦では、味方をうまく動かせずに失点を招いたと後悔している。京都戦で同じ過ちを繰り返さないように、的確なコーチングで最終ラインを操る腹積もりでいる。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/03/14 18:04