本田圭佑の日本人サイン第一号は、意外な形で生まれたのだった!
10日、本田は現地時間の12時からミランの練習に参加し、チーム合流後初めてフルメニューをこなした。
ミランの練習に合流してから前日までの2日間は、ミラネッロ正門前に集まったファンたちに対してファンサービスをすることなく車で走り去っていた。地元ファンからは「失望した」などの声が飛び、それを受けて日本国内でも同様の報道が伝えられていた。ただ、他の選手が皆自分で運転して帰宅の途に就く中、本田は合流直後のためクラブが支給する運転手つきの車で通っている。そのため、自分の意志で車を止めることが難しいという状況も重なっていた。
そんな中、この日、本田が遂にファンにサインをする日が訪れた。練習後、正門前で待つ5,6名のファンに対してミランの広報担当者が門番を通じて、「ホンダがサインをするので、中に入ってきてほしい」と伝えてきた。思わず喜ぶファンたち。その中に、一人の日本人青年が含まれていた。
彼の名は、マギー塁。なんと、あの往年のマジシャン・マギー司郎さんの弟子で、マジック芸人のかたわら、本田のそっくりモノマネをする芸でも活動。かつては『フンイキ本田』、いまは『ですか?本田』という芸名も持つお笑い芸人だ。
以前、ロシアにまで出向き、本田に“モノマネ公認”をもらおうとして失敗に終わった経験を持つマギーさん。今回、正月元旦恒例の某局のお笑い番組に出演すると、9日にミラノに到着し、すぐにミラネッロにかけつけた。
思わぬ再会の機会に恵まれた彼は、ミラネッロの受付裏にある広報室に入った。そこに、サングラス姿の本田が現れた。「ロシアではありがとうございました」というマギーさんの声に対して、笑顔でサインに応じた本田。さらにツーショットの記念撮影も撮った。
正門前に戻ってきた塁さんは興奮を隠しきれない様子。
「まだ手が震えています。これで今年、本格的に売れればいいですね!(笑)」。そう語ると、我々記者陣にボールに書かれたサインと写真を見せてくれた。サインにはミランで新たにつける背番号“10”が右下にしっかり書かれており、ここに初めて『ミラン本田』のサインが公開されることとなった。
「ミラノにまで来たかいがありました。師匠(マギー司郎)や兄弟子(マギー審司ほか)もすごく喜んでくれると思います!」。初のファンサービスの日に現れたマギーさんは、まさに本人に負けず劣らずの、“持っている男”となったのだ。
一方、練習は完全非公開となったが、開始15分前にグラウンドに姿を現した本田は、この日は初めから全体練習に参加。戦術練習もフルにこなし、徐々に状態を上げつつある。
イタリア人だけなく日本人を含め、初めてファンと直に触れ合った本田。自身の“そっくりさん”と遭遇するサプライズも飛び出すなど、この日も話題は事欠かなかった。
(写真・文:西川結城)
(BLOGOLA編集部)
2014/01/11 00:14