今節相まみえる新潟と言えば、昨季の記憶が嫌でも蘇る。0-5――。2012年J1第27節・新潟戦に臨んだ名古屋は、後半だけで5失点を喫しビッグスワンの地で大敗を喫した。後半途中からFWでプレーしていた田中マルクス闘莉王は「恥ずかしい」と訴え、守備陣の崩壊にストイコビッチ監督は「まるで子供じみたディフェンスだ」と切り捨てた。そしてその“子供じみたディフェンス”を切り裂いた人物こそ、初の新潟戦を迎える矢野貴章だった。「名古屋のホームではやりづらかったけど、実際に勝っていたこともあってビッグスワンでの苦手意識はまったくなかった」。背番号19は、かつての名古屋の印象をそう供述する。ただし今節はホーム、ピッチに立つのは“名古屋の矢野”だ。リーグ戦第5節・柏戦に次ぐ2試合連続となる古巣戦を、「(古巣のことを)気にはするし、やるのは楽しみ」と静かに意気込んでいる。
(名古屋担当 村本裕太)
2013/04/11 19:01