オフ明けの6月19日、雁ノ巣グラウンドには、元スウェーデン代表のズラタン・イブラヒモビッチに似た“ビッグスマイル”を見せる見慣れぬ選手がいた。前日に柏からの育成型期限付き移籍での加入が発表されたばかりの古賀太陽だ。
「5日前に福岡への移籍話を聞かされました。レイソルが韓国キャンプに出発する前々日のことで、自分もそこに参加する予定でいたので、本当に急な話で……。それは悩みましたよ、ずっと柏で育ってきたので」
『太陽』という名前がレイソル(太陽王)との縁も感じさせる古賀は急な移籍話にかなり戸惑ったようだが、最終的には福岡行きを決断。
「決め手は、正直今季はレイソルで出場機会を手にすることができていなくて、シーズンの残りも同じような状況が続くのであれば、無駄とは言いませんが、自分にとってそれはどうなんだろう、と。ずっと過ごしてきた柏を出ること自体も経験になるだろうし、福岡で試合出場のチャンスをつかめば、それが自分の成長につながるだろうと、決断しました」
では、古賀とはどんな選手なのか。鈴木健仁・チーム強化部長によると「左右のSBとCBがこなせる選手。高さ(182cm)があって、走力があるところが、同じSBの駒野や輪湖との違い。走れる、という点からすればCBよりもSBでプレーしてもらいたい選手」との評価。
さらにイメージを膨らませるために手助けとなるのが古賀自身のコメントだ。
「レイソルの先輩でもある酒井宏樹選手(日本代表)をイメージしてもらえれば分かりやすいかも、です。実際に僕が憧れる選手の一人です。確かに走力に自信がありますが、それはどちらかと言うと瞬発系の走り。カメ(亀川諒史)さんのようにメチャクチャ走れる、ああいう(持久力的な)能力も身につけたいですね」
練習初日のウォーミングアップでは昨年柏でともにプレーした先輩の一人、輪湖直樹とコンビを組んで体をほぐす場面もあったが、その輪湖とはライバル関係にもなる。
「去年はポジションを争って僕が試合に出たこともあります。いろいろ学ぶことの多い先輩ですが負けられません。競い合いながら一緒に戦ってJ1昇格に貢献したいです」
19歳の新戦力は『福岡の太陽』となれるか。
写真:島田徹
(福岡担当 島田徹)
2018/06/19 17:35