前節・愛媛戦のスタンドには頭を丸めて気合いに溢れる若武者がいた。金髪坊主に刈り上げたのは今季、流通経済大から加入した立花歩夢。「イメチェンっす」と笑顔で話したが、これは大きな決意の表れでもあった。
「覚悟を決めようかなと。中途半端だったので。もう失うものはない。新しい壁にぶつかっている。だから一発“これ”にして気持ちを高めようと思った。いまもう3節が終わって、1試合もベンチに入っていない。そこでまず髪でアピールしようかなと(笑)」
ずっと結果を出し続けてプロの世界の門をたたいた立花。しかし、ここまでは思うようなプレーはできていない。「まだ違いを見せることはできない。全然ダメです。まだ信用もされていない」と自らにも厳しく矢印を向ける。ただ、練習中に見せるシュートセンスは紛れもなく本物。GKのタイミングを外すことや、鋭く突き刺さるパワー。その自分の得意な形に持って行くことができれば自ずと結果も出てくるはずだ。
期待のルーキーの序列は現時点では決して高くない。しかし、シーズンはまだ始まったばかり。いつか必ず背番号30の力が必要となるときはやってくるだろう。その日が訪れるまで立花は汗を流し続ける。
写真:高澤真輝
(横浜FC担当 高澤真輝)
2018/03/14 18:02