『ベテラン力』というものがあるとしたら、どんな能力で構成されるものなのか。そんなことを考えたのは、J2第15節・福岡vs金沢の一戦で今季リーグ戦初出場を果たした中村北斗のいくつかの興味深い言葉を聞いたことがきっかけだった。
「現状、自分にチャンスが回ってくる時間や機会は限られている。だから5分や10分間のプレーをイメージして練習に取り組んでいた」
自分の置かれた状況を冷静に見極められること。それに応じた適正な準備ができること。「(松田力のゴールへの)アシストという結果はこれまでの練習が無駄ではなかったと思える。何より出場機会のない若手に少しでも良い影響を与えることができればとの思いも持ってピッチに立っていたので良かったと思う」
自分の言動やパフォーマンスが若手選手にどんな影響をもたらすのかを考えられること。
「これまで僕らは上位チームを相手にチャレンジャー精神で対してきた。これから対戦する相手はそんな強い気持ちで臨んでくることを理解しておく必要がある」
チームの空気を引き締められること。
「初出場はもちろんうれしい。だけど、まだスタートラインにも立っていないと思っている」
誰よりも自分に厳しくできること。
ベテラン力の構成要素はまだありそうな気がする。今後も中村にご教授願おう。
写真:島田徹
(福岡担当 島田徹)
2017/05/25 09:01