FC東京は、名古屋のFW永井謙佑の獲得オファーを近日中に出すことが明らかになった。また、篠田善之監督が来季の契約に正式サインしたことも判明した。
3日に行われたJ1・2nd第17節で、名古屋は湘南に1-3で敗れ来季のJ2降格が決定した。兼ねてから複数クラブから興味を示されていた永井だが、ここに来てFC東京から正式オファーが届くことになり移籍への可能性が浮上した。
湘南戦の敗戦後、永井はサポーターへの挨拶の際に目を腫らし涙していた。11年に福岡大からプロの道の第一歩を歩み始めたクラブ。当然、今季の成績への悔恨は大きく、「いまはまだ何も考えられない」と試合後も呆然としながら話していた。
一方、来季に向けたFW補強を目論むFC東京にとって、前線だけでなくサイドでもプレー可能な永井は最適な人材の一人でもある。12年のロンドン五輪でともにレギュラーとしてプレーした親友・東慶悟の存在や、篠田監督が福岡の監督だった10年に永井が特別強化選手としてプレーした経験もあるなど、縁のある人間がそろっていることも移籍への後押しとなり得る。
FC東京にとっては現在日本代表から遠ざかっている永井をJ1の新天地で再び覚醒させ、代表復帰につなげたい狙いもある。名古屋は湘南戦後に久米一正代表取締役が「1年でのJ1復帰を目指すためには、いまいる選手に残ってもらわないといけない。他チームからのオファーを蹴散らすぐらいの熱い信念を示さないと移籍していってしまう」と語り、永井に対しても残留に向けて全力を注ごうとしている。
両者の思惑が混在する中、ここから日本を代表するスピードスターの去就に注目が集まる。
(FC東京担当 西川結城)
2016/11/04 04:00