横浜FCの市村篤司が7日に行われる熊本戦に出場すれば、J2通算300試合出場となる。達成すれば史上26人目の記録。実は7月31日の千葉戦で既に299試合出場を達成していた市村だが、「千葉戦のロッカーで『次出たら300やん。ここでケガしたらウケるな』とか話してたら(笑)」、それが本当になってしまった。しかし、これも何か運命的なものかもしれない。なぜなら市村にとってロアッソ熊本は05年から12年まで8年間を過ごした「特別なチーム」であり、熊本という土地は「第二の故郷」だからだ。
「(J2で)300試合出場だけど、地域リーグで1年、JFLで2年過ごして、そこでも80試合くらい出ている。あのとき熊本で過ごした日々がなかったら、正直もう(選手として)終わってたと思う」
市村は北海高を卒業後、03年に札幌に加入。そこで2シーズン過ごしたあと、当時、地域リーグだったロッソ熊本(現・ロアッソ熊本)に移籍した。そして08年、ロアッソとともにJ2に昇格し、熊本で200試合以上の出場を積み重ねてきた。
「自分のサッカー人生を見直すと、熊本で過ごしてきたことが一番大きいターニングポイントだった。(熊本の)スタッフとか社長もみんなそのときのメンバーなので、その人たちの前で(300試合出場を)達成できればと、特別な思いがありますね」
けがも順調に回復し、8月28日の天皇杯1回戦・山形大戦では90分間プレー。9月3日に長崎で行われた2回戦はチームに帯同しなかったが、それは熊本戦と11日に行われる町田戦に備えるというチーム事情もあるだろう。「連戦だし、総力戦になる。練習からしっかり動けるところを見せていきたい」と、市村は熊本での記録達成に向けて気持ちを高めていた。
(横浜FC担当 芥川和久)
2016/09/05 15:07