19日にハノーファー96からC大阪へ完全移籍での加入が発表された山口蛍が20日、C大阪のクラブハウスで囲み取材に応じた。
セレッソ復帰へ思いが傾いたタイミングについて、「海外に出たときはドイツで活躍することを思い描いていたし、できるだけ長く海外でプレーしたい思いで行った自分の気持ちに変わりはありません」としながら、「育ってきたクラブを離れて違うクラブでプレーしている自分に、日々、違和感を強く感じました。その気持ちは想像以上だったし、日々、消えなかった。日頃の生活や練習、いろんな状況の中からセレッソに気持ちが傾いていきました。もちろん、海外へ行く前もセレッソへの思いはあったけど、その気持ちは想像以上でした。行かないと自分でも分からない気持ちでした。セレッソへの思いがどんどん大きくなって、離れない、切り離せない存在だということが分かりました。いま、こうやって着ているセレッソの練習着を着ていないことにも違和感がありました」とあふれ出る思いの丈を話し、わずか半年という短い期間で海外挑戦を終えることを決めた率直な思いを明かした。
3月の日本代表でのW杯アジア2次予選最終戦・シリア戦での負傷や、ハノーファーの2部降格、盟友である清武弘嗣のスペイン移籍といった事柄については、「いろいろ重なりましたけど、そういうことは関係ありません。ハノーファーが1部に残っていても気持ちは変わらないし、けがも理由ではありません。キヨくん(の移籍)にしてもそうです。信じてもらえない立場かも知れないけど、セレッソへ復帰したいという思いだけで決断した」ことを強調した。「(ドイツの)環境も良かったし、生活面で困ることもなかった。ハノーファーの方にも温かく迎え入れてもらっていました」と、異国の地で過ごした環境面に不満があったわけではないことも語った。
ハノーファーからは、来季の主力として残留要請を受けていたことも明かし、「ありがたいことでしたけど、自分の(復帰への)思いを強く伝えました。その気持ちを尊重してくれたハノーファーには感謝しかありません」と古巣についての思いを述べた。
今後のセレッソでのプレーについても、「このタイミングで復帰できるように動いてくれたセレッソの関係者の方にも感謝しないといけません」とし、「サポーターにもいろんな思いがあることは分かるし、復帰について厳しい言葉をかけてくる方も多くいるかと思います。そういう思いも受け止めながら、これからプレーで返していくしかありません。できるだけ長くこのクラブでプレーしたいし、必要とされる限りはずっとこのクラブでプレーしたいです。残りの自分のサッカー人生のすべてをこのクラブと歩んでいきたいと思っています」と“桜”への揺るぎなき思いを語った。
(C大阪担当 小田尚史)
2016/06/20 19:07