開幕戦以来、8試合勝利から遠ざかり苦しい戦いが続く長崎だが、前節の横浜FC戦(1●3)では、公式戦初となるMF田中輝希、MF木村裕、FW永井龍の組み合わせが躍動。特に故障から復帰した田中輝希攻撃に新風を送り込んでいる。
主力として期待され加入した田中輝だが、これまでは故障に苦しみ、存分にプレーすることができなかった。開幕と同時にコンディションを上げていくスタートダッシュ型であるため、今季のようなスロースタートになったシーズンは初めてだという。本人にとって決して得意とはいえないフィジカルメニュー中心の別メニューを乗り越え、復帰したのは4月初旬。オフには3~4kgオーバーしていた体重もベストに戻し、持ち前の足元のスキルやダイナミックなプレーで存在をアピールしてきた。
今季初の90分出場を果たした横浜FC戦では、「キム(木村裕)とも話をして、自分たちでもシュートを打つことを心掛けた。攻撃の選手はシュートを打つことでノッていける部分もあるし、シャドーの選手がシュートを打てば、トップの選手への警戒も逸らすことができる」と語ったように、積極的にゴールを狙い、豊富なアイデアを生かして攻撃に変化を作り出していった。試合には残念ながら敗れたものの手ごたえも感じたという。
「練習が終わったあとも、みんなと今日の練習はどうだったとか、どんどん話をしたい」
「連戦のほうが良い。早く試合がしたい」
スタートダッシュが遅れたぶん、誰よりも試合に飢えている田中輝。これまで永井への依存が高かった長崎攻撃陣の新しい軸となれるか注目だ。
(長崎担当 藤原裕久)
2016/05/01 19:55