相手DFの背後に大きく弾ませるパントキック。すかさず反応したラファエル・シルバが、落下点の目測を誤った相手をかわし、ボールを奪ってゴールに流し込む。天皇杯2回戦・秋田戦(4○0)の先制点の場面だ。新潟移籍後、初めてスタンドから観戦したGK守田達弥は「先制点はクロさん(黒河貴矢)が起点。刺激を受けた」と話した。
その3日後、明治安田J1 2nd第10節・横浜FM戦(1△1)。中村俊輔のFKを押さえた67分、守田は相手の守備ブロックが高い位置にあると見るや、その背後を狙い、黒河同様のキックを試みた。スペースへのフィードは、守田がこれまで見せてきたターゲット狙いのそれとは異なる意図を持ったモノだ。大きく弾ませたボールは、走り込んだ指宿洋史の頭を惜しくも超え、相手にクリアされたが、一発でチャンスになる手応えはつかんだ。
「味方は収めにくいと思うけど、相手も処理しづらい。状況によって、(ターゲットに当てるのと)使い分けながらやれたら」。吸収したことはすぐに実践し、プレーの幅を広げる。
(新潟担当 野本桂子)
2015/09/17 11:56