途中解任となったトニーニョ・セレーゾが離日する日、昌子源は練習後の昼食中に恩師を見送りに行くことを思い立ったという。すぐに、主務に電話をかけて確認したところ、すでに空港で飛行機を待っている状況だったため、見送りについては断念。電話越しに最後の挨拶をした。
電話口には「オオ、ゲン!」と喜ぶ前監督。あいにく通訳が側におらず、ポルトガル語でまくしたてる言葉の中身のほとんどはわからなかったが「海外を目指してがんばれ」「お前ならもっとやれる」という言葉をかけられたという。
最初はテンションの高かった陽気な髭の監督も、次第に声は震えて小さくなり、最後はほとんど喋れなくなっていたそうだ。
「プロに入ってまだ5年ですけど、スタメンとして我慢して使ってくれた。僕にとっては恩師みたいな存在。特別な監督だと思っています」
セレーゾの涙に報いるためにも、結果を残すことを誓っていた。
(鹿島担当 田中滋)
2015/08/08 19:17