この2試合、シュートへの意識の高さを感じさせる湯澤洋介。
「最近あまりうまくいっていなくて、ゴールを決められれば波に乗れるんじゃないかなって」
このひと月の間には、練習後のピッチで阪倉裕二監督と1対1でしばらく話し込む姿があった。あるときには吉田賢太郎コーチにも相談したという。吉田コーチは栃木の元エースで、かつて京都では三浦知良(現・横浜FC)と2トップを組んだこともあるストライカーだ。
「俺が『うまくいかなくて』と相談したときに『そんなふうには見えないけどなあ』『最後だけだよ。ちょっと力を抜いてみれば?』と言ってもらえて。自分で悪いように考えていただけかもしれない」
すっと肩の力が抜ける気がした。
「だんだんとゴールに近づいているんじゃない?」
そう伝えると、湯澤は「いや」と首を横に振りながらこう言った。
「近づいているとここで思っちゃいけない気がするんです。結果、ゴールは取れていないわけで。満足しちゃダメなんですよ」
(栃木担当 鈴木康浩)
2015/05/08 07:00