指揮官の視線は常にフラットだ。昨季までゲーム形式の練習では、ほぼメンバーを固定していた。しかし、今季は前節の試合結果に関係なく、選手を頻繁に入れ替えている。聖域はない。
阪倉裕二監督の意図は明確。競争原理を持ち込んでいるのだ。財政上の問題から、今季は25人体制。全員が戦力にならなければ、長いシーズンを戦い抜けない。だからこそ、阪倉監督はメンバーをミックスし、毎週適度な刺激を加え、緊張感を持たせている。
その成果が表れたのが、第4節・群馬戦(3○0)。今季初先発の湯澤洋介と赤井秀行が、好パフォーマンスを披露。「たまたま群馬戦には自分が出たけど、自分じゃなくても勝てていた」とは赤井。誰が出ても同じ戦い方ができるのは、日々の練習が実りある証拠で、健全な競争が行われている証でもある。
大幅な補強はできない。でも、個々が練習で成長することはできる。阪倉監督はそう考え、それを実行に移している。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/03/28 22:40