16日、栃木は2013年シーズンに向けた新体制発表および新加入選手会見を行いました。
その中で、中津正修代表取締役社長は今季のチームスローガンを「感動」と発表。「皆さまに感動を与えるようなゲームを繰り返し、また、シーズンが終わったときにはもっと大きな感動を皆さんと共有したいと思っております」と、高らかに宣言しました。
今季は西岡大輝選手、クリスティアーノ選手、勝又慶典選手、湯沢洋介選手、原田圭輔選手、中野洋司選手、近藤祐介選手、榎本達也選手、そして、三都主アレサンドロ選手と、9名の選手が新加入。さらには、スタッフ陣にも変動がありました。しかし、何と言っても、栃木県を出身地とする松本育夫氏の招聘(しょうへい)、入閣は最も大きな変化ではないでしょうか。
新たにクラブのシニアアドバイザーとして就任するやいなや、早速仕事に取り掛かっており、この日は開口一番、「仕事柄、このチームに対して多くの支援というものをしたい。その中で3月3日の開幕戦は『(観客動員数)1万人』、絶対にやります」と、すさまじい熱を見せてくれました。これほどまでに言い切れる強さ、そして熱量を持った人物はそうはいません。クラブの大きな力になってくれることを大いに期待します。
さて、この日の会見は三都主選手や榎本選手のユーモアあふれるコメントなどで会場は笑いにも包まれ、和やかなムードで進みました。最後には南省吾強化部長から「すいません、最後に湯沢からごあいさつがあります(笑)」と、待望久しい地元出身のルーキーにむちゃぶり。すると、他の選手たちは笑みを浮かべながら続々と降壇。
湯沢選手
「(一人取り残されて)……今から勝又さんが一発芸をやります(笑)」
勝又選手
「……」
湯沢選手
「あ、やらない感じですか? やらない感じですか?(笑) あ、やらない感じ?(笑)」
勝又選手
「やらない。やらないっす。すいません」
湯沢選手
「マジメか!!(ペチッ)」
拒否反応を見せる勝又選手を壇上に上げ、頭をたたいた(ツッコミを入れた)湯沢選手。ペチっというキレイな音に会場大爆笑。
湯沢選手
「(すかさず)すみません……」
勝又選手
「(湯沢選手を指さして)初対面です(笑) 初対面ですよ、今日。あー痛っ!(笑)」
南強化部長
「じゃあ選手の皆さん、(壇上に)上がって。上がりづらいと思うけど、写真撮影があるから早く上がってください(笑)」
※ちなみに、「今は控室でも相当緊張している様子なんだよね。アレックスが(控室に)入ったときなんか、アイツ、固まっちゃったよ(笑)。 『おい湯沢、写真を撮ってやるよ』って言ったら『お願いします!』みたいな、そんな感じだったし(笑)」(南強化部長)というのが、むちゃぶりの真意だったようです(笑)「『お前、最後に振るからな?』って言ってあったので、考えていたとは思うんですけど、まあ、あの通りです(笑)」
このようなやり取りもあって、メディア陣とサポーターの集まった会場は最後まで好ムード。松田浩監督も実に柔和な表情を見せながら、時には「ゼロではないですけれども、今季は(主力選手が)ほぼ引き抜かれることもなく、去年のベースに上積みしてスタートできる。戦力的には、僕としてはもうまったく言い訳のできない、非常に楽しみな陣容をそろえていただいたなと思います」と話すなど、シーズン開幕に向けて覚悟と自信、そして熱が感じられる一日となりました。
松田体制5年目を迎える今季、そして積極的な変革も見せた充電期間。狙うは毎試合の『感動』、いや“年末の感動”ただ1つ。初の悲願に向けて“新生・栃木”がスタートしました。
(栃木担当 村本裕太)
2013/01/21 22:42