甲府の樋口靖洋新監督が11日、市内のクラブ事務所で契約の調印を行った。樋口監督はその足で山梨県内の練習施設を見学。昭和押原公園で、報道陣の取材に応じた。
今季まで横浜FMの指揮を執っていた樋口監督にとって、甲府は「リーグ戦はこの2年間で一回も勝っていない。得点も(4試合で)1点しか奪えていなくて、それもFKから」という天敵。「隙の無いチーム」という印象に触れつつ、「そこは城福さんが築き上げられたもので、何としても継承しながらやっていきたい」とスタイルの維持を強調していた。その上で前を向いて、より高い位置で相手ボールを奪うという「攻撃に転じるための守備」(樋口監督)を増やせるかどうかが、来季に向けた焦点となりそうだ。
なおコーチ人事については「クラブと話をしていますので、早いうちに決まると思います」と明言。チーム編成については「まずは、いまいる選手をしっかりとチームに残してもらう。それが大事」と方向性を述べていた。
9日のJリーグアウォーズには、横浜FM監督として出席した樋口監督。「監督室での待ち時間が結構長い」(樋口監督)という事情もあり、城福浩監督から「じゃあ引継ぎしましょう」という声が掛かり、1時間ほど話し込んだのだという。「城福さんから『樋口が来てくれて良かった』という声も掛けて頂いたので、それに応えられるようにしなきゃいけないと思っています」(樋口監督)と、前監督の後押しから力を得た様子だった。
(甲府担当 大島和人)
2014/12/11 17:52