23日の神戸戦(第25節/2○0)はカウンター攻撃が冴えた甲府。先制ゴールは阿部翔平の縦パス一本でDFの背後を取り、クリスティアーノが抜け出して決めたモノだった。「昨日はSB裏が空いていたし、相手も前から来ていた。そこを有効に使おうという感じだった」(阿部翔)という、見極めと狙いから生まれた会心のゴールだった。
今季の甲府は決して“速攻偏重”というわけでもなく、手数と人数を掛けてボールを運ぶ“遅攻”も積み上げている。エリア内への進入回数、シュート数といった数値も決して悪くない。しかし最後で決め切れないという苦しみがあり、小さくない課題として残っている。
阿部翔は「一本のパスで得点につながる状況があれば狙っていきたい。クリス(クリスティアーノ)も常に狙っている」と“速攻”の重要性を強調しつつ、「相手がそれを警戒してきたら、空いたスペースでしっかりつないでいけばいい」という“二枚腰”の姿勢を見せていた。
速攻を磨くことで、遅攻も効いてくる。そのサイクルが、甲府の攻撃力を上げるはずだ。
(甲府担当 大島和人)
2014/09/24 18:14