運命の最終節。C大阪は後半ラストワンプレーで同点に追い付き、自力で残留を決めました。殊勲の同点弾を決めたのは、今季川崎Fから移籍してきた横山知伸選手でした。
試合後は選手、スタッフから熱い抱擁を交わされ、ミックスゾーンでは、ペン記者、テレビカメラ、そしてマッチデーJリーグと、各媒体に引っ張りだこ。うれしそうな半面、どこか苦笑いを浮かべながら取材に応じていたのが印象的で、「2得点は、まさか、ですよね(笑)今までも1点しか取ったことがないのに」と話していました。
また、試合の途中で負傷交代した藤本康太選手は、試合後は足を引きずりながら現れましたが、ほんの少し、報道陣の問いかけに応じてくれました。
「僕が交代してから2点入ったので、良かったかな、と(苦笑)。チームとサポーターが1つになった結果、ロスタイムに同点弾が生まれたと思うし、自力で残留を決められて良かった。プレッシャーのかかった試合だったけど、1人1人が強い気持ちを持ってやれた。優勝を阻止された試合と降格した試合、これまで最終節で二度も川崎にやられていたので、そういう歴史を僕たちが変えていきたいという気持ちがありました。それを達成できて、良かったです」
C大阪の負の歴史を繰り返さなかったことに、ホッとした様子でした。
また、結果的に神戸とG大阪という関西2クラブが降格したことについて、両チームともに所属経験のある播戸竜二選手は、「本当に残念なこと」だと話しました。その上で、「セレッソは唯一関西で残ったことで、J1でさらに結果を残していかないといけない。レヴィーも継続してやることが決まり、チームも若い選手がたくさん出てきた。そういう選手たちが試合に出ていろいろな経験をし、降格争いの中でも残れる経験やメンタリティーも覚えてきた。さらにここから上乗せが必要になる。来年は優勝するため、クラブがさらに上に行くため、大事な1年になる」と、決意を新たにしていました。
前節は目の前で優勝を決められる悔しい気持ちを味わいましたが、今節は皆で喜びを分かち合える結果となりました。もちろん、“残留”で喜びを分かち合うことは、本来は避けたいですが、この日だけはそんなことは言えません。チームに関わる全ての人が、安堵(あんど)した最終節でした。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/12/04 14:23