2日は、東京Vの全体練習最終日。多くのサポーターが集まった中で、「緑白戦」と名付けられたサポーター投票でポジションが決められた紅白戦、それに小学生を対象としたサッカー教室が行われました。
練習場には、今季で契約を終える選手たちをたたえる横断幕も登場。「緑の東京 土肥洋一」、「多摩の誇り サエさん(佐伯直哉選手)」、「バウルの輝きを忘れない(土屋征夫選手)」、「MCアラちゃん(新井章太選手)」、「AKB32(秋葉勇志選手)」といった、特徴的なものも見られ、「緑白戦」では選手のチャントも多く聞かれました。OBであるラモス瑠偉氏も現れ、土屋選手と談笑する姿もありました。
練習後に収録できた、各選手のコメントも紹介します。
MF 5 佐伯直哉
「ヴェルディでは3年間。そんなに長くはないと思うけど、その中でいろんな経験をさせてもらった。目標のJ1昇格がなし得なかったのは心残りだけれど、スゴく濃い3年間だった。昇格して、『去ります』と言いたかった。それができたら、かっこ良かったんだけどね(苦笑)。そんなにうまくいかないね。この3年は感慨深い。苦しくもあり、楽しくもあった」
「(それはケツさんの下でやれたから?)そこは大きいですね。ここに来るきっかけをくれた。ここでやろうと思った1つの理由でもあった。それに、今まで一緒にやってきたバウル(土屋征夫選手)、チビ(飯尾一慶選手)、菅ちゃん(菅原智現ユースコーチ)とも、またやれるっていうのも。育ったところに戻って、トップチームで目標に向かってサッカーができるという喜びの方が大きかった」
「(今後について?)まだ、何も決まったことはないです。日々変わる心境を感じている。引退も視野に入れながら、です。でも、まだ、できるんじゃないかとか、引退のタイミングじゃないかなとも思う。オレはサッカーしか知らないし、その道でやっていければ良い」
GK 1 土肥洋一
「(今、思い出されること?)あれだけのメンバーがそろっていたのに、(J2に)落としてしまったこと、ですかね。1回(クラブに)切られてから、再契約になったこともあった。そこから、また必死に(J1に)上げようとしたが、上げられずに後悔している。毎年そうだけど、同じ選手でやれるのは1年しかない。人は変わって行くもの。その中でも、和気あいあいという雰囲気で今日もやれたのは良かった。でも、もっとみんなが同じ方向を向いたりしていければ良かった。そうすれば、もっといい結果の中で今日もできたと思う。今日が、現実。残る選手たちには、このチームを昇格させてほしいと言うのはあります」
「(トライアウトには出るのでしょうか?)それはないです。今は何も考えていないです。いろいろと、これからゆっくり考えます。J2に落としてしまったことは、サポーターやみなさんに申し訳なかった。どこかで何かが変わらないといけないと思う。自分たちがまたJ1に戻れれば、メディアの人の数も変わるだろうし、若い子は、その中でやっていけば、今後の可能性も変わってくるはず。技術高い選手が多いから、早くそこ(J1)でやってほしい。このチームはそこに居るべきだと思います」
「(クラブからはどんな話があったのか?)少し話したくらい。これと言ってないですよ。ケツさん(川勝前監督)も、途中で代わったわけだけど、監督よりも自分たちがふがいない。自分たちも悪いと思っている。だから(契約非更新は)当然じゃないですかね。チームの方向性は上の人間が考えること。そこにどうこう言うことではない。自分が力になれなかったのが悔しいだけですね」
DF 17 土屋征夫
「この1週間、いろんな人が電話をかけてくれた。それは、心配してかけてくれた電話ではなくて、勇気付けてくれたものだった。また前に進んで行こうという気になれた。本当にありがたい」
「(サポーターに伝えたことは?)一言、話してほしいということだったので、まず言ったのは『ありがとう』ということ。いつのタイミングでも、サポーターは変わらず応援してくれた。自分としては大好きで、しかも育ててくれたヴェルディなので、これからも応援してほしいと伝えました。自分にはサッカーしかない。ここを離れても、見守ってくださいと言いました」
「(寂しさはある?)それはね。オレ、涙もろいタイプだから(笑)。人としゃべると、どんどん寂しくなってしまう。まだ道が切り開かれていない状態。次の道が見えれば、その時点で気持ちを切り替える。全てを、(所属)チームにささげるスタイルだから。どこのチームでも、ボクを求めてくれるものが大きければ良いなと思う。気持ちで動くタイプなので。ここまで、技術でやってきたわけではないし」
「(家族に伝えたとき?)泣いていたよ。3年生の娘も、物事が分かるようになっているし、長男も中1でサッカーをやっている。息子はオレの全てを知っている人間。小さい頃からずっと一緒で、父はサッカー選手ということでしか知らない。サッカーができないときに、どう感じるか……。『絶対に続ける』と話したら、『続けて』と言われた。嫁は、オレの思うときに辞めればという感じだね。みんな、泣き虫なんだよ。おなかの子を含めた4人の子どもと、嫁には、オレが来いと言ったらどこでも付いて来いと言おうと思っている。娘には、いつもふざけて接しているけど、お風呂の中でふっと真剣に話しだすと、ちゃんと聞いてくれる」
「子どもはみんなヴェルディが好き。これからどうなるか分からないけれどね。育成から出て来た選手と一緒で、自分を育ててくれたところ。だから、育成育ちの選手がヴェルディが好きっていうのは分かるよ。ケツさんとも話をした。体は大丈夫だろうから、あとは気持ちだろうと。自分はそこでやっている部分が多いし、そこが途切れなければ大丈夫だからと。気持ち的に、切れなければやっていけると言われました」
(東京V担当 田中直希)
2012/12/03 23:21