どこから見てもモンテネグロ人のラドンチッチが流暢な韓国語でまくしたてているかと思えば、練習用ポールで槍投げをして遊んでいたカン・ユングが誤って自らの足にポールを刺してしまい「イテッ!」と日本語で悲鳴をあげ、スペイン語のジョナサンとポルトガル語のダニエルが同時通訳してもらうなど、言語的にもカオス化してきたチームで、ついに高木和道までが慣れぬ言語を操りはじめた。
滋賀生まれの高木は、武田洋平や室拓哉、伊佐耕平らと並び、いかなるときも安定の訛りを貫く関西弁ネイティブ・スピーカー。その高木が先日、もっとゴールを決めますと宣言した後藤優介に向かってこんな言葉を放った。
「待っちょんよ」
それが大分弁であることを、その場にいた者たちが理解するまでには、ゆうに数秒を要した。なぜそこで大分弁なのか、との問いには答えず、高木はさわやかに笑って帰っていった。
ちなみに後藤の出身地は鹿児島県である。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2014/09/12 16:21