「今日は複雑な気持ちですが、われわれはピッチで地元のみなさんを勇気づけなきゃいけないと感じていました」
20日の天皇杯3回戦・鳥栖戦(1●3)後の会見で、田坂和昭監督は冒頭に言った。この日未明に広島市北部で発生した大規模土砂災害の、最も被害が甚大だった地域で生まれ育った田坂監督は、故郷の受難に胸を痛め、一人、喪章を巻いて試合に臨んだ。
試合前ミーティングでは「今日は個人的にも思うところがある」としか伝えなかったが、「広島の災害についてだろうと察していた」と風間宏矢。選手たちは田坂監督の思いも背負って最後まで戦った。
鳥栖戦翌日の練習後には「僕の実家は大丈夫だったけど、両親に聞いたらテレビで見るよりずっとひどいらしい。今日は雨は降ってないよね、もう大丈夫だといいけど」と、気丈に振る舞いつつも心配そう。
これ以上、被害が拡大せず、行方不明の方々の一刻も早い救出を願うとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2014/08/22 18:21