12日に発表された“ザックジャパン”のメンバーを見ると、現・甲府の城福浩監督、小倉勉コーチが年代別代表の指導に関わった世代が最大勢力になっている。90年生まれが酒井宏樹、山口蛍、柿谷曜一朗、齋藤学、大迫勇也と5名。加えて「早生まれなので僕らが呼んでいた学年。ずっと認識していた」という酒井高徳を含めた6名が、07年U-17W杯にも出場した“城福ジャパン”の対象となっていた選手だ。
柿谷、齋藤はアジア予選、世界大会に参加した正メンバー。一方の酒井宏、山口、大迫はチャンスを与えられつつ競争に敗れた側になる。しかし城福監督が「順風満帆な選手なんて、いまの代表にいない。ずっとU-17代表でレギュラーだったヤツにも挫折があった」と振り返るように、柿谷や齋藤にもJ2への期限付き移籍などを経て“プロの壁”を乗り越えた経緯がある。
「中3のギリギリで先発になって、レイソルのユースに上がって2年生くらいまでは先発ではなかった。試合に出ていないにもかかわらず代表に呼んだ」(城福監督)選手が酒井宏。「まだ花開いていないのを、しっかり見極めてユースに上げたレイソルの功績もある」と城福監督が評するとおり、可能性の見極めはそれくらい奥深く、難しい。
甲府は“ザックジャパン”と縁がなく、予備登録に入るような選手もいない。城福監督は教え子の成長、挫折からの脱皮を喜びつつ、「自分の関わっているチーム(=甲府)が、今回は間に合わなかった」と喜び以上に悔しさを口にしていた。
(甲府担当 大島和人)
2014/05/13 19:23