リーグ戦初先発が濃厚な19日のベローナ戦、本田はトップ下でプレーすることとなりそうだ。
初練習に先立ちセードルフ監督が会見
ミランは18日、セードルフ新体制の初陣となる翌日のセリエA第20節・ベローナ戦(ホーム・サンシーロ)に向けて、イタリア・ミラノ市郊外のミラネッロで監督会見と練習を行った。
16日にミランの指揮官に正式に就任したクラレンス・セードルフ監督が、公の場で初めて語った会見。ミラネッロの地下にある会見場にはテレビカメラ10台以上、記者も外まで溢れかえるほどの報道陣が集まった。
にこやかな笑顔で会見の席に着いたセードルフ監督は、そこで、自身が目指すサッカーについて語った。
「しっかりボールをつないで、前に人数をかけるサッカーがしたい。ミランの攻撃陣には才能を持った選手が多くいる。見ている人を楽しめるのはもちろん、プレーする我々自身も楽しむことができるサッカーを目指したい」。
“哲学”という言葉を用いて話した自身のベクトル。それは攻撃的サッカーを追求するという堂々とした姿勢でもあった。
会見ではイタリア語のみならず、母国オランダの記者にはオランダ語で、さらにポルトガル語や英語も駆使して質疑応答に対応。現役時代はクレバーなMFとして名を馳せたが、その印象はこんなところからも垣間見えた。
左にロビーニョ、右にカカ。そして中央には本田
そして、会見の後に予定されていた試合前日練習が、急きょ報道陣に対して公開されることに(冒頭約15分間のみ)。そこで、ビッグサプライズが待っていた。
ウォームアップの鬼ごっこを終えた選手たちは、攻撃組と守備組にわかれて練習を開始。セードルフ監督は攻撃組に付きっきりとなって指示を出し始めた。
ポジションに散らばる選手たち。形を見ると、中盤と前線は[2−3−1]の形になっている。セードルフ監督が採用するとみられる[4−2−3−1]に倣ったものだ。1トップにはバロテッリが入り、中盤の攻撃的な位置には、左サイドにロビーニョ、右サイドにカカが。そしてトップ下に入ったのが、ミランの10番、本田だった。
セードルフが身振り手振りを入れながら、選手に声をかける。ボランチからサイド、中央を経由してサイドチェンジ、とにかく丁寧にポゼッションしながらフィニッシュまで持ち込むような形を、チームに植え付けようとしていた。
本田はバロテッリと縦関係になり、コンビネーションからシュートを狙う場面や、自身が起点となってカカやロビーニョを使うプレーも積極的に行った。その後、本田、カカ、ロビーニョの3人はトップ下と左右両サイドをローテーションしてプレーしていったが、セードルフ監督が初めに組んだ布陣では本田が中央に位置。これが、ベローナ戦の先発布陣となることが濃厚だ。
メニューが終わった後、本田は自らセードルフ監督に歩み寄り、何やら疑問をぶつけていた。それに対して指揮官もアクションを入れながら説明。ミランの新旧10番の関係性が、いきなり良好な様子もうかがえた。
練習場には珍しくガッリアーニ副会長も姿を現したこの日。新体制として再生のスタートを切る名門クラブ。ミランは日本のエースをチームの中心に据え、復活に向けた戦いに臨む。
(写真・文:西川結城)
(BLOGOLA編集部)
2014/01/19 00:58