前節・横浜FM戦翌日、クラブよりセルジオ・ソアレス監督の契約解除が発表されました。28日、最後にチームにあいさつするため、ソアレス監督は南津守練習場に姿を見せました。報道陣に対しても、最後の囲み取材に応じてくださいました。以下、主なコメントです。
─シーズン途中での解任となってしまいました。現在の心境は?
「大事なことは、クラブの決定事項をリスペクトすることです。残念な気持ちは当然ありますが、まずはしっかりとクラブの決定事項を尊重したいと思います。ただ、チームとして、代表選手が抜けたり、主力選手が移籍で抜けたり、苦しい時期を乗り越えて、シンプリシオ選手や枝村選手を補強してもらって、今からようやくチームが軌道に乗るというところまで来ていただけに、悔いが残るという気持ちにうそはつけません」
─クラブから解任の話を聞かされたのはいつですか?
「この前の横浜戦のあとです。結果を求められる世界で、契約を解除されるリスクは少し前にもあったと思いますし、(解任の)覚悟はしていました。ですが、先ほども話したように、これからチームが軌道に乗っていくという手応えもつかみつつあっただけに、(このタイミングは)自分にとってもサプライズでした。札幌戦から新しい選手を入れた中での新しいチーム作りを始めました。横浜戦は、今季を戦い抜くチームの顔が見えた試合だったと思います。このタイミングでチームを出ていかないといけないことについては、正直、心残りはあります」
─今日、最後に選手たちにはどんな言葉をかけましたか?
「『7カ月間、自分に付いて来てくれてありがとう、これからも友情は続く』という話をしました。選手には感謝の気持ちしかないので、それを伝えました。自分が誇れることは、(柿谷)ヨウイチロウを生き生きとプレーさせることが出来たということです。また、(山口)ホタルも、五輪代表でも活躍するなど、素晴らしい成長を見せました。五輪から戻って来てからは新しい役割も与えて、彼自身、その期待に応えてくれたと思います。この7カ月間、1人1人の成長がチームにはあったと思います。そのトータルとして、チームの成長にもつながったと思います」
─(名前を挙げた)柿谷選手に対して、今後、どのように成長してほしいですか?
「彼に対しては、彼の内面に訴えかける指導を心掛けてきました。どうやったら彼のココロを響かせることが出来るか、デニス(コーチ)と共に常に考えて来ました。対話を通じて、彼が力を発揮出来るように、自分を見失わないようにと意識していました。彼は勝敗を決めることの出来るプレーヤーです。横浜戦では、いい答えを出してくれたと思います。これからもさらなる成長を期待しています」
─サポーターへ向けても言葉を頂けますか。
「自分自身、またこれからブラジルでキャリアを築かないといけませんが、日本の皆さんに対しては、サヨウナラ、というより、しばしのお別れ、といった感じでいいのではないでしょうか。日本の皆さんとは、互いにリスペクトし合える関係だったと思います。サポーターの皆さんにも、この場を借りして、『いつも親切にしていただいてありがとう』ということを伝えたいと思います」
監督交代の見解などについては、今後エルゴラッソ本紙でも触れる予定ですので、ここではコメントのみとさせていただきます。
今回の監督交代について、主将の藤本康太選手は、「チームとしては、監督が代わっても結果を求めていくことは変わりません。(ソアレス監督は、「解任を聞いたのは横浜戦後」という話でしたけど、選手たちに知らされたのは?)僕らも横浜戦翌日のリカバリーの時に聞きました。聞いた時はびっくりしましたし、さびしい気持ちもありましたけど、すぐにリーグ戦もあるので、切り替えてやっていく必要があると思います」と、動揺することなく次節へ向けてチームが一致団結していく必要性を強調していました。
また、チームについて語る際、ソアレス監督から一番に名前が挙がった柿谷選手は、「監督からは厳しいことも言われましたけど、試合に使ってもらって成長できたので、感謝しています。『ブラジルでも応援している』とも言ってもらったので、今後活躍していくことが恩返しにもなると思います」と感謝の気持ちを話していました。
そして、レヴィー・クルピ監督の就任については、「ここから何日かは聞かれると思いますけど、今季の監督がレヴィーでもC大阪に戻って来ていました。(再会を)楽しむというチーム状況ではないですけど、チームにとっていい方向に変わって行けばいいと思います」と話していました。
今回の監督交代がどのように作用するか。全ては残り11試合の結果で決まります。
(C大阪担当 小田尚史)
2012/08/29 08:45