四国ダービー、またもや選手、サポーターが切望する“勝利”をつかみ取ることはできませんでした。この試合まで愛媛は6戦勝ちなし。シーズンを折り返してからいまだ勝利なしという状況で、大一番に臨まなければいけませんでした。決して流れが良くない中でさらにプレッシャーのかかる四国ダービー。しかし、だからこそ選手たちは切なる思いから「この試合をきっかけに」という言葉を口にしていました。
直近の勝ちのない7試合の全てが勝ちに値しなかったかといえば、そうではありませんでした。90分間を通しての試合内容でいえば、ポジティブな内容の試合も少なくありませんでした。今回の四国ダービーにしても、良い時間帯は多く作り、勢いを感じる場面も随所に見られました。しかし、「結果が全て…」と試合後、渡邊一仁選手は大きく肩を落としていました。このプロスポーツが勝負の世界にある以上、敗戦の事実は受け入れなければいけません。「勝てた試合だった」、「内容は悪くなかった」。これまでの試合では、そんな偏った自信にすがっていた部分もありましたが、今回は選手たちも真摯(しんし)に負けを認めているようでした。足りないものがあるから勝てないのは事実。その足りないものを補うには、敗戦から目を背けないことが求められるはずです。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/08/15 17:58