7月30日に加入内定が発表された元韓国代表DFイ・ガンジン選手。翌31日には小野路グラウンドで加入内定会見が行われましたので、イ・ガンジン選手のコメントを紹介します。
■DF 29 イ ガンジン選手コメント
――初日のトレーニングを終えた感想は?
「ヴェルディのときからオジー(アルディレス監督)のトレーニングには慣れているので難しいことは何もなかった。ただこの暑さだけは……。韓国も暑いけど、こちらのほうが暑いですね。町田はみんなテクニックがあるし、狭いところでもボールをしっかり回せるチームという印象です」
――町田に加入が決まった経緯は?
「向こう(韓国)でなかなか出場するチャンスがなく、唐井直GMから連絡をいただき、『オジーもいるし、一緒に戦ってくれないか。町田を助けてくれないか』と言われました。そういう気持ちがありがたかったし、自分としても試合に出るチャンスが欲しかったので、移籍を決めた。最初はJ2ということで正直迷いがあったけど、やっぱり選手としては試合に出るのが一番大事。またJ2というカテゴリーを経験して選手としての幅を広げたかった」
――これまでのJ2というカテゴリーの印象は?
「あまり試合を見たことはなかったけど、J2でもレベルが落ちるとは思っていなかった。組織的に守るチームもあるし、下位のチームは分からないが、中位、上位チームはそんなにJ1とレベルは変わらないと思う」
――現状、町田は最下位ですが、自分が入ってどんなプレーを見せたいと思っていますか?
「いいサッカーをしていても守備の問題で失点して負けている試合もあると聞いている。自分が入って実力を発揮して、失点を少しでも減らして勝てるように、全力を出し切って頑張りたい。町田はパスサッカーなので、後ろからしっかりビルドアップして、守備のときはハードなディフェンスで守っていきたい」
――唐井GM、アルディレス監督、平本選手、戸田選手と知っている顔がチームにいることも心強いですね。
「監督は選手にとってすごく大事な要素。ヴェルディのときは17歳で契約していただいたので、いいイメージが残っている。天皇杯(2004年度大会)もゼロックス・スーパー・カップ(2005年)も優勝した。J2でもいいサッカーをやれるのならば町田に入りたいと思った。オジーはジョークが面白い。練習でもパスを大事にする面白いサッカーをやっている。ヴェルディのときはたくさんチャンスもくれたし、試合ができるコンディションでないときにも信頼して僕を使ってくれた監督だった」
――これからは12日の千葉戦(J2第28節)に向けて準備していくだけですね。
「ジェフは強いチーム。しっかり準備して勝ち点を積み上げていかないといけない。練習からチームに溶け込んでいいゲームができるように準備していきたい」
――チームの雰囲気については?
「みんな優しくて良かった。自然が多い練習場はいいですね。人工芝はまだ慣れていないけど。最初、平本さんには『なんでこっちに来てるんだよ』と言われたけど、練習前にいろいろと話しかけてくれた」
――好きな日本食は?
「日本食は大好き。焼肉とか。納豆も食べるし、寿司も好き。韓国料理よりも日本食のほうが好きかもしれない。刺身も大丈夫」
――町田サポーターへのメッセージを。
「日本でプレーしているころから町田という大きな街があることは知っていた。僕は磐田でもプレーした。もともと日本という国が好きだし、日本サッカーも好き。町田のようなパスサッカーも好きだから、そのチームでプレーできることはうれしい。いい結果を出せるように町田の力になりたい」
今回の移籍ウインドーで韓国A代表の経験もある心強い戦力が、守備陣に加入することになりました。現在、3バックを形成している加藤恒平選手たちにとっては、強力なライバルが出現した格好です。それでも加藤選手は「経歴を見たらすごい選手だと分かる。でも経歴どうこうじゃなく、できることを100%やり続けることが大事なんじゃないかと思う」と語るなど、ポジションを譲る気はありません。こうした“競争原理”がチーム力アップにつながることでしょう。
【PROFILE】
DF 29 イ ガンジン(LEE Gang Jin)
1986年4月25日生まれ、26歳。韓国出身。184cm/76kg。水原三星ブルーウイングス(韓国)→東京V→釜山アイパーク(韓国)→磐田→全北現代モータース(韓国)を経て、町田に加入。04年の東京V在籍時には天皇杯優勝を経験。2010年には磐田でナビスコカップを制覇した。韓国A代表メンバーとしてW杯予選にも出場している。
(町田担当 郡司聡)
2012/08/01 21:00