4月6日、JR東日本カップ2019 第93回関東大学サッカーリーグ戦が開幕を迎える。
今季の最注目はやはり、前年王者の早稲田大学ア式蹴球部だ。昨季は1部復帰1年目にして快進撃を続け、前期11試合で9勝1分1敗と首位を独走。ライバルたちのマークが厳しくなった後期も粘り強く戦い続け、2節を残して頂点に立った。22試合で49得点と圧倒的な攻撃力を誇示し、2位以下に勝ち点差8をつけた貫禄の優勝だった。
そして連覇を目指す今季、早稲田大に心強い援軍が加わった。2月1日、株式会社SOUと3年間のオフィシャルパートナーシップ契約を締結したのである。
株式会社SOUはブランド品や時計、貴金属などの買取・販売事業や、オークション事業を行っている会社で、代表取締役社長を務めるのはかつてガンバ大阪でJリーガとしてプレーした経験を持つ嵜本晋輔氏。嵜本氏は「お世話になったスポーツ界への恩返しをしたいと考えていました」と語る。
早稲田大学ア式蹴球部がユニフォームの胸に企業ロゴを纏うのは、その輝かしい歴史において初めてのこと。誇り高い伝統を継承しつつ、常に進化を追い求めるア式蹴球部の物語に、新たな章が刻まれた。
昨季、就任1年目にしてリーグ制覇を成し遂げた外池大亮監督は、学生たちに絶えず問いかけている。「『変化しろ』と常に言ってきたんです。今までは上から言われていたものも、君たちが決めていいよ、と。それが社会に出た時に必要な力、一番使える力ですしね。そういう人たちが出てこないと、サッカー界や社会をリードできる存在になっていけないんじゃないかな」。“監督と学生”の上下関係で物事を進めるのではなく、所属する全員が自主性と主体性、そして問題意識を持つ組織へ――。変革を進めながらピッチ内でも結果を残す姿は、“大学スポーツ”の域を超えて社会へと発信される。株式会社SOUがパートナーシップ契約に至ったのは、積極的な人材育成活動によって優秀な人材を社会に輩出し続けるア式蹴球部の取り組みと志に共感したからこそだった。
早稲田大学が前年王者として登場する今季のリーグ開幕戦は4月6日、舞台は味の素フィールド西が丘。1部昇格組の立正大学と対戦する。創部100周年(2024年)を目前に控え、新たな栄光の章を書き加えるための戦いが始まる。
文・内藤 悠史
(BLOGOLA編集部)
2019/03/29 17:03