Jリーグのクラブライセンス事務局は12月12日、東京都内のJFAハウスで記者会見を開き、2019年度の申請から適用されるJリーグクラブライセンス制度におけるスタジアム基準の改定を発表した。
その主な基準の改定とは、スタジアム整備において、条件を満たした場合の猶予期間を設置すること。例えば、例外規定の一つが「スタジアム改修に着工しており、3年以内に完成可能であれば、上位ライセンス取得可能」。また、別の例外規定が「Jリーグが掲げる理想的なスタジアム(※)を整備できるのであれば、5年の猶予を認め、上位ライセンスが取得可能になる」というもの。
なお、上記の規定に基づき、トレーニング施設整備に関しても、3年の猶予期間が設置されている。
今回のスタジアム基準の改定に至った背景には、過去に順位要件を満たしても、スタジアムの基準を充足していないため、上位カテゴリーに昇格できないクラブが存在してきたことが関係している。過去の事例では14年の北九州や18年の町田は、それぞれがJ1昇格プレーオフ出場圏・6位以内に食い込みながらも、ホームスタジアムなどがJ1規格ではなかったため、プレーオフ出場がかなわず。また17年の秋田もJ3制覇を成し遂げたが、スタジアムの問題により、翌年のJ2昇格は実現しなかった。こうした過去の前例が、今回の決定の後押しになったと言っていい。
こうしたスタジアム基準の緩和により、例えば町田のホームスタジアム・町田市立陸上競技場は、2021年2月からJ1規格のスタジアムとして使用可能の予定となっているが、クラブライセンス交付第一審機関(FIB)での審査により、例外規定の適用が受諾されれば、例外規定1の要件を満たしているため、2019年度にJ1ライセンスが取得可能になる。もちろん、来年6月末のクラブライセンス申請までに例外規定を満たす必要性はあるものの、18年にJ2・4位でプレーオフ参戦がかなわなかった町田にとっては、朗報と言ってもいいだろう。
注※Jリーグが掲げる理想的なスタジアム
①アクセス
②屋根
③ビジネスラウンジ・スカイボックス・大容量高速通信整備
④フットボールスタジアム
この4つの要件から定義
写真:郡司聡
(町田担当 郡司聡)
2018/12/12 18:48