
「ジェフをJ1に上げるために来たので、それができなかったのが悔しいです。(いまの心境の中で)そこが一番大きいですね」
8月に横浜FMから期限付き移籍で千葉に加入したDF下平匠。加入直後の第28節・町田戦からの14試合のうち13試合で先発出場を続けたが、浮上の起爆剤となるまでには至らなかったことを悔やむ。
一方で個人の内容に目を向ければ、正確無比のキックを随所に見せ、2ゴール2アシスト。前節・京都戦(3〇0)でも貴重な追加点を奪い、2連勝に貢献した。「マリノスでは前半戦、ほとんど試合に出る機会がなかったので、ジェフに来て使ってもらっているのはありがたいです」と話すが、「ただ…」と続ける。
「自分のできることをしっかりやって、それがチームのプラスになればいいと思っていた。それはジェフに限らず、どのチームにいるときもやっていますが、結果につながらなかったのが残念です」
自身初となるJ2でのプレーを選択した“覚悟の移籍”だった。G大阪、大宮、横浜FMとJ1でプレーしてきた自負がある中での大きな決断だっただけに、悔しさが胸中を覆い尽くす。
それでも、「ジェフに来てよかったか」という問いの返答には力がこもった。
「環境は素晴らしいですし、もちろんスタジアムも素晴らしい。選手のみんなも優しいので本当によかったですね」
そして、17日にフクアリで迎える栃木との今季最終戦への思いを、いつも穏やかな男はこう口にする。
「ホームですし、こういうシーズンになったことを忘れてもらえるようにではないですが、最後の一つは勝ちたい。来季に向けて、チームとしても個人としても落としていい試合ではないと思います」
(千葉担当 大林洋平)
2018/11/15 17:22